Dec 14, 2008

次世代のための設計

on the water

Canonが、1971年にFDレンズを設計したときには絞り優先AEの実装を視野に入れていたことは間違いないと思う。ただ、その後の両優先とプログラムAEまでを視野にいれていたかどうかはわからない。もしかしたら、技術の流れの行き着く先として、必然的にシャッター速度と絞りの両方を自動制御できるようになるだろうと予想していたのかもしれない。

今、来るべき10年を見据えてやるべきことはなになのか?1960年代中盤にCanonはレンズマウントを見直してFDマントを設計した。1971年にF1とともにFDレンズが生まれたときにF1の開発に5年かかったといわれた。だとすると、1965年ぐらいから設計は始まっていたといえる。FDレンズは優れた設計の結果、F1発売1971年からAFという置きな流れが来るまで(1985年α7000発売)の14年の長きにわたって基本的な設計を変更せずにレンズビジネスを続けていくことができた。F1の設計から考えると20年の期間有効な設計だったことになる。その後、AF対応のためFDマウントからEFマウントへとキャノンは切り替えを行うが、1987年のEFマウントの発売以降現在(2008年)まで21年の渡って同一のマウントを保っている。この間の互換性の高さは他のカメラメーカーの比ではない。ニコンのように物理的な装着が可能というレベルではなく、AE、AFなどカメラの主要な機能をサポートした上での互換性を保っているのが素晴らしい。
今日のキャノンの成功は、このような背景に支えられていることは間違いない。

EFマウントも、すでに20年。そろそろ、設計を考え直しても良い時期に来ている。新しい革袋に新しい酒を入れることを考えても良いのではないかと思う。
なにを見直すことができるのだろうか?

そうすると、最近話題のフルサイズ対応というのが気になってくる。デジタルカメラの全体的な流れでは、画像素子は一旦は小さくなっていく傾向を見せていたが、その後特にデジタル一眼レフではだんだん映像素子が大きくなっていている。フィルム時代と違ってフォーマットが絶対的な支配力を持ったものでは無く、コストバランスのトレードオフの一要素に過ぎなくなっているのが原因のようだ。この流れだと今後さらに大きな画像素子が使われることも考えられる。
そうなると、35mm以上のサイズの画像素子を乗せることも考えられるが、35mm以上のイメージサークルへの対応するために、レンズマウントの大口径化が必要となるのが課題だろう。

また、一眼レフの時代はどうしてもレフ(鏡)を、光路上に入れなければならない関係上フランジバックを短くできなかった。この問題も、EVFと画像素子の進歩によってレフが無くてもレンズの結像を見ることができるようになり解決しようとしている。
そう考えると、次世代のデジタル一眼レフを継ぐカメラは、大口径マウント、短フランジバックが条件となるに違いない。なにしろ、大は小を、短は長を兼ねるのだ。
しかし、AFのときのような大きなブレイクスルーが無いと、大きな変化は受け入れられないような気もする。

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